電動自転車は坂道がしんどいって本当?登れない原因と対策を解説

電動自転車

電動自転車で坂道を登るときに“しんどい”と感じたことはありませんか?

特に急な坂道では、期待していたほどスムーズに登れないことも多いものです。

坂道ってこんなに登れないものなの?」や「故障しているのかな?」と悩む人も多いかもしれません。

電動自転車はどうしてもスムーズに進める印象がありますが、実は坂道では逆に登りにくくなってしまう場合があります。

本記事では、電動自転車が坂道で力不足と感じる原因を具体的に解説し、初心者でも実践できる解決策を詳しく紹介します。

この記事を読めば、坂道が苦手な電動自転車の選び方や日々の対策を知ることができ、より快適に坂道を乗り越える手助けが得られるでしょう。

この記事でわかること
  1. 坂道で電動自転車が登れない原因
  2. 電動自転車で坂道を楽にする方法
  3. 坂道に強い電動自転車の選び方
  4. 日々のメンテナンスや交換のポイント

    坂道で電動自転車が登れない原因は?

    サイクリングライフ

    電動自転車は平坦な道では快適に走行できても、いざ坂道となると「パワーが足りない」「すぐにしんどくなる」と感じる方も少なくありません。

    特に登り坂では、バッテリーやモーターの性能だけでなく、重量やタイヤのサイズといった様々な要因が走行に影響を与えます。

    ここでは、坂道で電動自転車が登れない原因について詳しく解説し、なぜ期待通りのアシストが得られない場合があるのか、具体的な理由を探っていきます。

    自転車自体の重量がある

    電動自転車は通常の自転車よりも重い傾向にあります。これはバッテリーやモーターなどの電動アシストシステムが搭載されているためです。

    本来はこのアシストシステムが重量以上の役割を果たし、スムーズな走行を実現する手助けをしてくれますが、坂道ではこの重量が負担となり、アシストの力が追いつかず「しんどい」と感じることがあります。

    重量の比較

    実際の電動自転車がどのくらいの重量があるかを自転車の種別ごとで比較してみました。

    種別ママチャリ電動自転車クロスバイク
    モデル名アルベルトロイヤルビビ・DXエックスビーワン
    メーカーブリヂストンパナソニックブリヂストン
    イメージ
    タイヤサイズ27インチ26インチ27インチ
    重量19.8kg27.7kg11.9kg

    一般的な自転車は約20kg、クロスバイクにおいては約12kgであるのに対して、電動自転車は約28kgと、通常の自転車よりも10kg弱重くなることが分かります

    後輪が重たく感じる

    電動自転車の多くは後輪駆動です。後輪駆動とはその名のとおり後輪のみが駆動する方式であり、モーター部分も後輪に設置されています。

    一般的な駆動方式なため、運転しやすい面がありますが、重量が全体的に後方に偏るため、急な坂ではモーターの出力が足りない場合があります。

    特に、子どもを後ろに載せる場合大きな荷物をリアキャリア(後ろの荷台)に載せる場合はモーターの物足りなさを感じることが多いはずです。

    モーターの設定が一定

    出典「ブリヂストン公式HP」

    電動自転車のバッテリー出力が坂道でのパワーを維持できない場合、設定した運転モードが合っていないケースが考えられます。

    多くの人は、運転開始時に前回の設定のまま、エコモードやロングモードを選択し、それを頻繁に変えることをしていません。

    エコモードやロングモードはバッテリーの減りが少なく、経済的であるため、デフォルトの設定にする気持ちは分かります。

    しかし、この選択が坂道での力不足を引き起こす原因となっているかもしれません。

    エコモードやロングモードはモーターの出力が最低限になるよう設定されているため、坂道を登るときのようにモーターの出力を継続する際は途中で止まってしまうことが多いようです。

    バッテリーの充電がない

    当たり前だと思われる方もいると思いますが、案外忘れられているのがバッテリーの充電不足です。

    当然、バッテリーが十分に充電されていないと、アシスト力が弱まる原因となり、特に坂道での走行に支障が出ます。

    バッテリーの残量が20%を切ると、ほとんどの電動自転車ではアシストが弱くなる傾向があります。

    頻繁な充電を避けるため、充電を使い切ろうとしてしまうと坂道でのしんどさを引き起こす結果に繋がります。

    タイヤが小さい

    出典「パナソニック公式HP」

    電動自転車の中で、子供を載せるタイプや折りたたみタイプに使われる小さいサイズのタイヤは、坂道での走行に負担がかかりやすい場合があります。

    先に挙げたタイプのタイヤサイズは、主に20インチの小計タイヤが一般的です。

    小径タイヤは、ペダルを回す力が路面に伝わりにくく、登坂時に一層の抵抗を感じやすい傾向があります。

    また、小径タイヤの電動自転車は、フレーム全体のサイズがコンパクトになったり、女性でも乗りやすいフレームデザインになるメリットがある一方で、急勾配の坂道では「しんどさ」を感じやすくなります。

    これは、タイヤが小さいことで「一回転あたりの進む距離(走行距離)」が短くなるため、登坂時に自転車の進む力を補うためにより多くのペダル回転が必要になり、何度も漕ぐ必要が出てくるからです。

    加えて、タイヤが小さいとタイヤの接地面積も減るため、路面とのグリップ力が大径タイヤよりも劣る場合があります。

    グリップ力が弱いと、特に滑りやすい路面での登坂時にタイヤが滑りやすくなり、ペダルをこいでも前に進みにくくなります。この問題は雨の日や未舗装路など、路面が悪いときにさらに顕著に現れます。

    荷物を載せすぎている

    電動自転車に後ろの荷台や子供用シートに荷物や子供を載せると、特に坂道での負担が大きくなり、「しんどさ」を感じることが増えます。

    その理由には、以下のような具体的な要因があります。

    重心の偏りで走行が不安定になる

    後ろに荷物や子供を載せると、重心が後方にずれ、坂道でのバランスが取りにくくなります。

    特に急な坂道ではペダルに力を入れても前輪が浮くような感覚になりやすく、踏ん張る力が必要です。

    また、不安定なバランスにより、しっかりとペダルをこがないと、登りきるのに余分な体力が消耗されやすくなります。

    バッテリー消耗が速くなり登坂アシストが弱くなる

    坂道での走行は通常よりもバッテリー消耗が速くなるため、後ろに荷物や子供を載せるとさらに消耗が早くなります。

    先に記載したとおり、バッテリー残量が少ないと急な坂道でアシストが弱まり、ペダルをこぐ負担が増大し、「しんどい」と感じやすくなります。

    登坂アシストが途切れると、重い荷物を載せた状態での自力走行がさらに困難になります。


    坂道がしんどい時の解決策

    サイクリングライフ

    坂道を楽に走るためには、電動自転車の特徴をうまく活用することが大切です。

    しかし、アシスト機能を最大限に引き出すためにはいくつかの工夫が必要です。電動自転車が登り坂で力を発揮できないときには、ギアの使い方やメンテナンス、さらには自転車自体の見直しが効果的です。

    ここからで、坂道がしんどいと感じるときに役立つ具体的な解決策をご紹介します

    これらの方法を実践することで、坂道をより楽に、そして快適に登ることができるようになるでしょう。

    軽いギアを選ぶ&運転モードを切り替える

    ご存じの通り、坂道に挑むときは、軽いギアに設定することで自転車が進みやすくなりますが、意外と電動自転車では軽いギアに変えずに登ろうとする人も多いのではないでしょうか

    それは軽いギアが平地では全くと言っていいほど機能していないことが原因と考えられます。

    電動自転車に乗る人の頭では、「電動自転車」=「軽いギアが使いにくい」という構図が無意識に出来上がっているため、軽いギアが使われず、坂でしんどいと感じてしまうのです。

    また、運転モードに関しては走行中に変更しない人が多いようです
    エコモードやロングモードからパワーモードに変更するだけでも効率よく坂道を登ることが出来ます。

    ギアと運転モードの両方の切り替えを使いこなすことで、坂道で「しんどい」と感じることは格段に減ることでしょう。

    使いこなせていないと感じた方は、ぜひ試してみてください。

    バッテリーを交換する

    劣化したバッテリーは、電動自転車のパフォーマンスを大幅に低下させます。

    バッテリーは数年使用すると容量が減り、アシスト力が落ちてしまうため、交換を検討することが重要です。

    特に、バッテリー残量が80%以下の場合は、交換を視野に入れると坂道でも力強い走行が維持できます。

    チェーンなどのメンテナンスを行う

    坂道での走行に限らず、チェーンやギア部分の定期的なメンテナンスも大切です。

    メンテナンスを疎かにすると通常の走行やギアチェンジに支障が生じ、スムーズな走行が出来なくなります。

    電動自転車のメンテナンスについては、以下の記事でまとめたので併せてご確認ください。

    電動自転車のギアが変わらない時はどうする?手入れも含めて徹底解説 | CYCLING LIFE

    新しい自転車にする

    自転車自体が古くなり、性能が低下している場合は、新しい電動自転車への買い替えも検討が必要です。

    電動自転車の寿命は、使用頻度や保管状況によって多少の前後はありますが、一般的には8年~10年と言われています。

    電動自転車は家電と同じ電子機器の部類にあたるため、8年以上を経過している場合は、故障リスクも高まることから、買い替えをオススメします。

    坂道に強いメーカーは?

    坂道に強い電動自転車を選ぶなら、日本国内で定評のある「パナソニック」と「ブリヂストン」がおすすめです。

    パナソニック

    パナソニックの電動自転車の特徴としては、モーターが軽量かつ大容量である点です。

    何度もお伝えしているとおり、重量が「しんどさ」を引き起こす原因の一つです。

    その点において、必要不可欠なモーター部分が軽量である点はオススメポイントとなります。

    ブリヂストン

    ブリヂストンの特徴は、両輪駆動である点です。

    両輪駆動とは前輪側にモーターが配備されることで、前輪はモーターによる駆動、後輪はペダルによる駆動で走行出来るという仕組み。

    両輪駆動のメリットとしては、重たい部品である駆動モーターが前輪側にあることで、重量が分散され、坂道での力強い走行に繋がる点です。

    両輪駆動に馴染みのない方は、こちらにまとめましたのでご参考ください。

    電動自転車の両輪駆動の仕組みとは?メリットとデメリットを徹底解説 | CYCLING LIFE

    オススメのモデル

    次に、坂道での走行に特におすすめのモデルをパナソニックとブリヂストンからご紹介します。

    パナソニック「ビビ・DX」

    出典:「Panasonic公式HP」

    パナソニックの「ビビ・DX」は、軽量モーターである「カルパワードライブユニット」を採用しているモデルです。

    バッテリー容量は16.0Ahあり、ロングモードで107kmも走行できる性能となります。


    ブリヂストン「アルベルトe」

    出典:「ブリヂストン公式HP」

    「アルベルトe」の特徴は、ブリヂストン独自の両輪駆動「DUALDRIVE」とチェーンではなくアルミベルトを使用した「ベルトドライブ」を採用している点です。

    これにより、パワフルなアシスト機能と耐久性・メンテナンスフリーが実現され、坂道でも「しんどさ」を感じづらく、スムーズに走れるでしょう。

    電動自転車以外にする

    最後の選択肢として、電動自転車以外の選択肢も検討してみるのも一つの方法です。

    実際、クロスバイクやロードバイクのようなスポーツバイクは、軽量である上、ギアの種類も豊富なため、坂道でもラクラク登ることが出来ます。

    体力に自信のある方や軽い自転車を希望する方には良い選択肢です。


    まとめ

    坂道で「しんどい」と感じる電動自転車の悩みは、原因を理解し、対策を講じることで大幅に改善できます。

    自転車の重量やバッテリーの出力、タイヤサイズといった要因を理解し、軽いギアの利用やメンテナンスを行うことで、登坂力を向上させることが可能です。

    また、必要に応じてバッテリー交換や新しい自転車への乗り換えも視野に入れることで、日々の坂道走行が格段に楽になるでしょう。

    コメント

    タイトルとURLをコピーしました