電動自転車の両輪駆動の仕組みとは?メリットとデメリットを徹底解説

電動自転車

電動自転車の「両輪駆動」について聞いたことはありますか?

両輪駆動システムは、特に坂道やぬかるんだ道での走行をより安定させるための技術で、ブリヂストンをはじめとする大手メーカーが導入しています。

しかし、メリットがある一方でデメリットや使い方の注意点も存在します。

この記事では、電動自転車の両輪駆動の仕組みと、その長所と短所を徹底的に解説し、あなたが選ぶ際の参考にしていただけるよう情報を提供します。

この記事でわかること
  1. 両輪駆動の基本的な仕組みとメリット・デメリット
  2. 両輪駆動の電動自転車を扱っている主要メーカーとその特徴
  3. 両輪駆動システムが特に適している走行シーンや注意点
  4. 回生充電などの付随機能が持つ利点と問題点

両輪駆動とはどんな仕組み?

サイクリングライフ

まずは両輪駆動の基本情報やメリット、デメリットについて、解説していきます。また、一般的な電動自転車に採用されている後輪駆動との違いにも触れていきますよ。

両輪駆動の仕組み

両輪駆動とは、一般的な電動自転車に採用されている後輪にモーターが搭載される「後輪駆動」に対し、前輪にモーターを搭載し、後輪は人のペダル力で動かす駆動方式のことを指します。

この駆動方式により、前後のタイヤが力を分担して動くため、特に発進時や急な坂道での走行が安定します。

主にブリヂストンの電動自転車で採用されています。

両輪駆動のメリット

出典「ブリヂストン公式HP」

両輪駆動には、以下のような具体的なメリットがあります。

発進時の安定性

両輪で均等に動力が伝わることで、発進時の揺れやふらつきを抑え、初心者でもスムーズに走り出せます。

雨天や砂利道などの不安定な路面でも安定感があり、急な登坂や交差点での発進が楽になります。

坂道での走行サポート

特に坂道が多いエリアでの通勤・通学において、後輪駆動だけではパワー不足を感じる場面でも、前輪にサポートが加わることで登坂がスムーズになります。

このため、急勾配の多いエリアでの使用に最適です。

前後輪の摩耗軽減

力が均等に分散されるため、後輪の摩耗が軽減され、タイヤの交換頻度を抑えられる点も魅力です。メンテナンス費用や手間を軽減したい方にも適しています。

両輪駆動のデメリット

両輪駆動の魅力的なメリットがある一方、以下のようなデメリットも考慮が必要です。

価格が高め

両輪駆動のシステムは技術が複雑で、前後のモーターが必要なため、価格が後輪駆動の電動自転車と比べて高額になることが一般的です。コスト面での負担が大きくなるため、費用対効果をしっかり検討する必要があります。

メンテナンスが複雑化

両輪駆動のメカニズムは複雑で、修理やメンテナンスが必要な場合、通常の自転車以上に専門知識が求められることがあります。部品の取り扱いやメンテナンス頻度の増加も考慮が必要です。

重量を感じる

両輪駆動システムは、前後に動力用のモーターが付けられているため、前輪側に重量を感じやすいです。

通常の電動自転車では前輪側は軽いことがほとんであるため、重量感を感じやすくなります。

また、前輪側に重量が出ることで駐輪場からの出し入れを行う際に重さを感じる場合があります。

後輪駆動との違い

両輪駆動と比較するうえで、まずは多くの電動自転車に採用されている「後輪駆動」のとの違いを理解することが重要です。

ここでは、後輪駆動の概要と、そのメリットについて詳しく解説します。

後輪駆動とは?

後輪駆動の電動自転車は、モーターが後輪に取り付けられ、ペダルを踏むとその力が直接後輪に伝わります。

後輪に力が集中することで、前輪は自由に操作しやすくなり、通常の自転車に近いフィーリングで走行することができます。

一般的な電動自転車には後輪駆動が採用されることが多く、初心者にとっても操作がシンプルで馴染みがあります。

後輪駆動のメリット

  1. 安定した加速力
    後輪駆動は後輪にすべての駆動力が集中するため、加速のタイミングや力強さがはっきりと感じられ、スムーズにスピードを上げることができます。
    平坦な道や日常的な通勤・通学には十分な加速力があり、走行性能がバランス良く保たれています。
  2. コストパフォーマンスが良い
    後輪駆動は両輪駆動よりもシンプルな構造であるため、価格が比較的安価で、維持費も抑えられます。
    構造が簡単な分、故障が少なく、パーツ交換や修理のコストも抑えられるのが特徴です。そのため、コストを重視する方にとっては適した選択肢です。
  3. 操作性がシンプル
    後輪だけで駆動するシステムは普通の自転車と同じ駆動方式であるため、初心者でも扱いやすいのがメリットです。
    通常の自転車と同じ感覚で乗りこなせるため、特に初めて電動自転車に乗る方にとっても違和感が少なく、すぐに使いこなせる点が魅力です。

両輪駆動との違いを比較

上記のように、後輪駆動は加速力や操作性がシンプルで使いやすい一方、以下のような違いがあります。

  1. 発進時の安定性
    「両輪駆動」は発進時に前輪と後輪に力が分散されるため、ふらつきが少なく安定していますが、「後輪駆動」では、特に坂道や濡れた路面での発進時に後輪がスリップしやすいことがあります。両輪駆動ならではの安定性は、発進が苦手な方や、雨天時によく走行する方には心強いポイントです。
  2. 坂道でのサポート力
    両輪駆動は、急な坂道で前後輪が協力して登坂するため、後輪駆動よりもパワフルにサポートします。特に傾斜が強い坂道での登りや、荷物を積んだ時などにその違いを感じやすく、坂道走行が多い方にとっては両輪駆動が適しています。
  3. バランス良く力を分配
    「両輪駆動」は、力が前後輪に分散されるためタイヤの摩耗が均等になり、長期的なメンテナンスコストも削減できる可能性があります。一方で「後輪駆動」は後輪の摩耗が進みやすく、タイヤ交換の頻度が上がる傾向があります。

どんな人におすすめか

両輪駆動の電動自転車は、特定の利用シーンにおいて非常に役立つ選択肢です。例えば以下のような方におすすめです。

坂道やアップダウンの激しい地域で通勤・通学する方

発進や急な登坂がスムーズな両輪駆動は、山間部や坂道が多い都市部での使用に最適です。

毎日の通勤・通学でストレスを軽減でき、安定感が増すため、日々の移動が快適になります。

悪天候での走行が必要な方

雨天時の走行が多い方にとって、両輪駆動の電動自転車は前後輪でバランスよく力を分配できるため、路面が滑りやすい状態でも安定した走行が可能です。

スポーツバイクのような高性能な電動自転車を求める方

安定性やスピード、坂道での加速など、スポーツ感覚で電動自転車を楽しみたい方にとっても、両輪駆動は高性能な選択肢です。

質の高い走行感を求める方にとって、大きな満足を得られるでしょう。


取扱いメーカーと両輪駆動のQ&A

サイクリングライフ

ここからは両輪駆動を採用しているメーカーの紹介とよく耳にする疑問点などをまとめていきます。

取扱いメーカー(ブリヂストン、PROVROS)

両輪駆動の電動自転車を国内で提供している代表的なメーカーには、ブリヂストンPROVROS(プロブロス)があります。それぞれのメーカーが提供する製品や技術の特徴について詳しく解説していきます。

ブリヂストンの両輪駆動

ブリヂストンは、自転車や自動車用タイヤで広く知られたメーカーで、電動自転車の分野でも高い技術力を持っています。

特に注目されているのが両輪駆動の技術「Dual Drive(デュアルドライブ)」と「ベルトドライブ」。

Dual Drive(デュアルドライブ)」は、両輪駆動のならではの力強さに加え、回生エネルギーを使用し、走りながら充電することが出来るのも魅力の一つと言えます。

また、「ベルトドライブ」もブリヂストン特有の仕組みで、チェーンではなくカーボンベルトを採用しています。カーボンベルトは耐久性が強く、チェーンよりも5倍以上長持ちである上、注油が不要なのもオススメです。

PROVROSの両輪駆動

PROVROSは、中国で設立された株式会社高商が運営するスポーツ&アウトドア用品のメーカー直販店です。 2017年にブランドの商標登録を行った比較的新しいメーカーですが、高いコストパフォーマンスとデザイン性で注目を集めています。

PROVROSが手掛ける電動自転車は前輪駆動方式と記載されておりますが、事実上の「両輪駆動」となります。

PROVROSから販売されている電動自転車は現在2種ありますが、どちらも折りたたみタイプとなっており、シンプルに洗練されたデザインと機能の両立が意識されたスタイリッシュなモデルとなります。

ブリヂストンのスペック

出典「ブリヂストン公式HP」

両輪駆動の電動自転車のスペックを紹介するにあたって、ここではブリヂストンの両輪駆動モデル「アルベルト e 26インチ」を例にスペックについて解説していきます。

アルベルト e 26インチ

フレームアルミフレーム
駆動方式両輪駆動(DualDrive)
タイヤサイズ26インチ
ギア変速内装3段変速(シマノ製)
バッテリー容量14.3Ah相当(200km走行可)※エコモード
チェーンカーボンベルト
重量25.8kg
出典「ブリヂストン公式HP

回生充電のメリット・デメリット

ブリヂストンの電動自転車に採用されている回生充電は、ブレーキをかけたときに発生するエネルギーを回収してバッテリーに充電するシステムです。

電動自転車においても、効率的なエネルギー利用を実現するために採用されています。

メリット

1. エネルギー効率の向上

回生充電によってエネルギーを再利用できるため、1度の充電で走行できる距離が伸びます。特に下り坂や減速が多い都市部では、この機能があることで効率的にエネルギーを節約できます。

2. 環境に配慮

無駄なエネルギー消費を抑え、環境への配慮ができるため、エコ志向の方にとっては魅力的な機能です。

デメリット

1. バッテリー負荷の増加

回生充電はバッテリーへの負荷が増えるため、長期的にはバッテリーの劣化が早まる可能性があります。そのため、頻繁な回生充電が必要な場合には、バッテリー交換のコストが上がるリスクがあります。

2. 制動力の変化

回生充電が行われる際、ブレーキ感覚が通常のブレーキとは異なる場合があります。特に、ブレーキの効き方に慣れていない方は、操作に戸惑うことがあるかもしれません。

雨に濡れたら壊れる?

両輪駆動の電動自転車の購入を考える際、雨の日の使用や防水性能に不安を感じる方も多いです。ここでは、雨天時の使用に関する注意点を解説します。

防水設計

基本的に、ブリヂストンやPROVROSの電動自転車は防水設計が施されています。モーターやバッテリー部分には防水カバーがあり、通常の雨であれば問題なく使用できます。しかし、大雨や長時間の水たまり走行は故障のリスクがあるため、避けるのが無難です。

水分除去とメンテナンス

雨の日の走行後には、水分をしっかりと拭き取ることが大切です。特にバッテリー周りや接続部分は乾燥させ、故障の原因となる湿気を残さないようにしましょう。

日常的な防水対策

長期間の使用を考える場合、防水スプレーなどでメンテナンスを行い、より耐久性を向上させるのもおすすめです。防水効果を維持することで、雨天時のトラブルを防ぐことができます。


まとめ

両輪駆動の電動自転車は、坂道の多い地域や悪天候時に非常に有用な選択肢です。発進時や坂道での安定性を高めるだけでなく、回生充電機能によるバッテリー補助など、使いやすさを追求した設計がなされています。

ただし、価格が高いことやメンテナンスの複雑さもデメリットとなるため、自分の利用シーンに合わせて選ぶことが大切です。両輪駆動の電動自転車を選ぶ際には、メリット・デメリットを把握し、長く快適に利用できるモデルを検討してください。

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